「を」の発音に関しては、一般的には「オ」と発音されることが多いですが、「ウォ」と発音する人もいます。
実際、発音には個人差があり、地域や方言によっても異なる場合があります。
本記事では、そんな「を」発音について解説します。
「を」の発音は「オ」か「ウォ」のどっち?
標準的な日本語の発音においては「オ」と発音することが推奨されています。
日本政府が示した「現代仮名遣い」では、「お」と「を」いずれも「オ(o)」と発音すると記載されていることからも、一般的には「を」の発音は「オ」と言えるでしょう。
仮名 | 現代語の発音(音韻) | 例 |
---|---|---|
お | オ | 奥、起きる、お話 |
を | オ | 花を見る |
ちなみに、下記のように「を」の発音は時代により移り変わっています。
- 奈良時代:「お」=「オ(o)」、「を」=「ウォ(wo)」と明確な区別があった
- 平安時代:「お」と「を」の混同が進み、いずれも「ウォ(wo)」と発音されるようになった
- 江戸時代以降:「お」と「を」の発音が「ウォ(wo)」から「オ(o)」に変化した
東京はオ(o)静岡や愛媛はウォ(wo)。地域によって異なる「を」の発音
現代仮名遣いでは「オ(o)」という発音となっていましたが、実際には地域によって差があるようです。新聞の記事などを参考に、地域ごとに分けてみました。
ざっと整理した結果を見ると、実際にはどちらの発音も使われていることがわかります。
(参考:毎日新聞、中日新聞)
NHKではどのように発音しているか?
公共放送であるNHKでは、どのような考えになっているのでしょうか。
発音の指針は確認できませんでしたが、参考になる情報を2つ紹介します。
1つ目はNHK放送文化研究所の記事です。をの発音は「オ」とのことです。
この記事内には下記のように記載されています。
「いう」などのひらがな表記は、「現代仮名遣い」(昭和61年7月1日内閣訓令・告示)で定められています。「現代仮名遣い」は、現代語の音韻に従って書き表すことを原則としていますが、以下のように一部、表記どおりに発音しない語があります。
例:助詞「は」「へ」「を」
引用元:NHK放送文化研究所
→ ひらがな表記:は、へ、を発音:[ワ][エ][オ]
2つ目はNHKワールド JAPANです。
こちらでも、をの発音は「オ」とのこと。
日本語の文字を紹介しているページがあり、「お」の文字と「を」の文字は、どちらも同じ「オ(o)」と発音されていました。
「を」の発音のまとめ
「を」の発音は一般的には「オ(o)」です。
ただし、「ウォ」という発音をしている地域も多く、どちらも使われているというのが結論になります。