酒粕は日本酒製造の副産物として長年親しまれてきましたが、その健康効果が注目を集めています。
特にNHK「ためしてガッテン」で取り上げられたことで、その魅力が広く知られるようになりました。
（参考）ためしてガッテン「日本伝統あの発酵食で 驚きコレステ減効果！」（2010年11月24日放送）
http://cgi2.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20090805（Internet Archive）
ためしてガッテンで紹介された酒粕の効能
コレステロール低下作用
ためしてガッテンの実験では、12名の被験者が3週間にわたり50gの酒粕を毎日摂取しました。
その結果、LDLコレステロール値が平均8.2ポイント低下したことが明らかになりました。これは動脈硬化予防に効果があると言えます。
お通じ改善効果
実験の被験者全員が口を揃えて報告したのが、お通じの改善効果です。
酒粕に含まれる食物繊維が腸内環境を整え、便通を良くする効果があると考えられます。
栄養価の高さ
酒粕は栄養の宝庫です。特にビタミンB群が豊富で、ビタミンB2は米の26倍、B6は47倍も含まれています。
さらにアミノ酸は米の583倍にも達します。これらの栄養素は代謝促進や美肌効果にも寄与します。
酒粕の効能の秘密はレジスタントプロテイン
酒粕の健康効果の鍵を握るのが「レジスタントプロテイン」です。
これは消化されにくいタンパク質の一種で、広義の食物繊維に分類されます。
レジスタントプロテインの働き
- 油の吸着：小腸でコレステロールなどの脂質を捕捉し、体外に排出します。
- コレステロール低下：体内に吸収される脂質量を減らすことで、LDLコレステロール値を下げます。
- 便通改善：脂質を含んだ便が形成されることで、柔らかく出しやすい便となります。
なぜ酒粕に効果があるのか
米にもレジスタントプロテインは含まれていますが、日本酒製造過程で他の成分が分解される一方、レジスタントプロテインは残存します。結果として、酒粕にはレジスタントプロテインが凝縮され、より効果的に働くようになるのです。
酒粕の美味しい活用法
酒粕特有の香りや味が苦手な人もいますが、ちょっとした工夫で美味しく摂取できます。
チーズ風クラッカー
酒粕に油と塩を加えることで、チーズに似た風味を作り出せます。この方法で作ったクラッカーは、多くの人がチーズの味がすると感じるほどです。
ヨーグルトドリンク風
酒粕に豆乳と果物を加えることで、ヨーグルトドリンクのような味わいを楽しめます。
中国料理の調味料代用
四川料理で使われる秘伝の調味料「酒醸（チュウニャン）」の代用として、酒粕を使用することができます。これにより、本格的な中華料理の味を家庭で再現できます。
まとめ
酒粕は単なる「かす」ではなく、健康と美味しさを兼ね備えた優れた食材です。
コレステロール低下、便通改善、栄養補給など、多岐にわたる効果が期待できます。さらに、創意工夫次第で様々な料理に活用できる万能食材でもあります。
ためしてガッテンで紹介されたように、日常的に取り入れることで健康増進が期待できるでしょう。