エルゴチオネインは、キノコや麦角などに含まれるアミノ酸の一種です。強い抗酸化作用などを持つことが知られており、近年注目を集めている健康成分です。
エルゴチオネインは、ヒトの体内では生成することができないため、食事から摂取する必要があります。
本記事では下記のような内容をお伝えします。
- エルゴチオネインの効能や副作用
- エノキ、マイタケ、シイタケなどが入手しやすいキノコの含有量はどのくらいか?
エルゴチオネインの効能や副作用について
エルゴチオネインの効能
エルゴチオネインには、以下の効能が期待されています。
- 抗酸化作用:活性酸素の働きを抑制し、細胞の酸化を防ぐ
- 認知機能改善作用:認知機能を改善する
これらの効能により、健康維持や病気予防に役立つと考えられています。
エルゴチオネインは、キノコや一部の細菌のみが合成できる成分で、抗酸化作用が強く、DNAの損傷や過酸化脂質の生成を防ぐ働きが期待されています。また、抗酸化作用に加え、光による肌の老化を抑制する効果があるといわれており、美容の面からも注目されている成分です。
エルゴチオネインの効能は、主に以下のとおりです。
抗酸化作用
エルゴチオネインは、非常に強い抗酸化作用を持つことが知られています。活性酸素は、細胞のDNAや脂質、タンパク質などに損傷を与え、老化や生活習慣病、がんなどの原因となると考えられています。エルゴチオネインは、活性酸素を除去することで、これらの損傷を防ぐ働きがあるといわれています。
脳機能の維持
エルゴチオネインは、脳内の神経細胞を保護する働きがあるといわれています。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経変性疾患は、脳内の神経細胞が損傷することで発症すると考えられており、エルゴチオネインにはこれらの疾患の予防や治療に効果が期待されています。
肌の老化防止
エルゴチオネインは、紫外線による肌の老化を抑制する働きがあるといわれています。紫外線は、肌の弾力を維持するエラスチンやコラーゲンなどのタンパク質を損傷し、シワやたるみなどの原因となります。エルゴチオネインは、活性酸素を除去し、紫外線によるこれらの損傷を防ぐ働きがあるといわれています。
エルゴチオネインの副作用
エルゴチオネインの摂取が原因と考えられる重篤な副作用の報告は見出されていません。
下記はカイゲンファーマ株式会社による届出内容です(機能性表示食品の科学的根拠などに関する基本情報。
40代以降の者及び30代のMCIの者がエルゴチオネインを摂取することにより、認知機能(記憶力)、認知機能(注意力)において維持・改善することが明らかとなった。なお、エルゴチオネインの摂取が原因と考えられる重篤な副作用の報告は見出されなかった。
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42306280310501
キノコのエルゴチオネイン含有量|豊富な食べ物をランキング形式で紹介
エルゴチオネインが豊富に含まれる食べ物はキノコです。
タモギタケは、エルゴチオネインの含有量が最も多く、100gあたり1,000~1,500mg含まれています。ヒラタケやエリンギも、エルゴチオネインが豊富なキノコとして知られています。
順位 | 名前 | エルゴチオネイン含有量(mg/100g) |
---|---|---|
1 | タモギタケ | 125.6 |
2 | ヒラタケ(新潟) | 27.4 |
3 | エリンギ | 12.7 |
4 | ハナビラタケ | 11.2 |
5 | エノキタケ | 9.8 |
6 | シイタケ | 9.6 |
7 | ヤマブシタケ | 9.1 |
8 | ヤマエノキタケ | 6.8 |
9 | マッシュルーム | 3.8 |
10 | 白マイタケ | 2.9 |
11 | ヒラタケ | 2.3 |
12 | ナメコ | 2 |
13 | マイタケ | 1.4 |
14 | ブナシメジ | 0.7 |
エルゴチオネインの摂取方法
エルゴチオネインは、キノコを加熱しても壊れにくく、茹でても炒めても含有量がほとんど変わりません。一方で水には溶けやすいので注意が必要です。
ヒトの体内では作ることができないため、食事を通して摂取する必要があります。キノコを日常的に食事に取り入れることで、エルゴチオネインを効率的に摂取することができます。
特に含有量の多いタモギタケやヒラタケを積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。