四十肩・五十肩は、肩関節周囲の組織が炎症を起こし、痛みや可動域制限を引き起こす症状です。正式名称は「肩関節周囲炎」と呼ばれ、40代から50代にかけて多く発症することから、四十肩・五十肩と呼ばれています。
専門医による治療も重要ですが、自宅でのセルフケアも効果的です。
今回は、NHKの人気番組「ためしてガッテン」で紹介された、四十肩・五十肩のセルフケア方法を詳しく解説します。
なお、本記事作成にあたっては日本整形外科学会の情報などを参考にしています。
- 五十肩(肩関節周囲炎)……一般的に四十肩、五十肩と言われるものです。
- 腱板断裂……40歳以上で右肩によく起こります。四十肩、五十肩とよく間違われますが、「痛くてよく眠れない」という症状が特徴です。
四十肩・五十肩の治し方についてのためしてガッテン番組概要
ためしてガッテンでは、2005年1月および2014年2月の放送回で、四十肩・五十肩に関する内容を取り上げました。
「★謎の激痛!”五十肩”最新情報」(2005年1月26日放送)
2005年1月放送の回では、肩こりの原因が僧帽筋の炎症している状態であることと対比しながら、五十肩の痛みは肩甲骨の関節周りに炎症が起きていると説明しています。
五十肩の原因は老化以外には明確にはわかっていないそうですが、肩甲骨を動かすことで周りの筋肉の老化を防ぎ、五十肩の予防・治療に効果があるとして「ひじまる体操」を紹介しています。
(参考)ためしてガッテン「謎の激痛!”五十肩”最新情報」(2005年1月26日放送)
http://www3.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q1/20050126.html(Internet Archive)
長引く肩の痛みに喝!五十肩&コリ一挙撃滅(2014年2月5日放送)
同番組では、五十肩に直るタイプの五十肩と終身型の五十肩があることが紹介されました。
- 直るタイプの五十肩……肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
- 終身型五十肩……腱板断裂
- 五十肩(肩関節周囲炎)……一般的に四十肩、五十肩と言われるものです。
- 腱板断裂……40歳以上で右肩によく起こります。四十肩、五十肩とよく間違われますが、「痛くてよく眠れない」という症状が特徴です。
そして、肩甲骨を動かさない習慣が腱板断裂や炎症を招くこと、肩甲骨体操が肩の病気予防になるという内容の説明が続いています。
それでは、ためしてガッテンで実際に紹介された、四十肩・五十肩の防ぎ方、治し方について見ていきましょう。
(参考)ためしてガッテン「長引く肩の痛みに喝!五十肩&コリ一挙撃滅」(2014年2月5日放送)
http://www9.nhk.or.jp/gatten/archives/P20140205.html(Internet Archive)
ためしてガッテン流!四十肩・五十肩の防ぎ方、治し方
四十肩・五十肩の予防や治療に効果あり「ひじまる体操」
四十肩、五十肩は「肩関節周囲炎」という状態です。肩関節が硬くなり動きにくくなるものの、自然に回復するのが一般的。
四十肩・五十肩の治し方としては、シャツをつまんで肩を回す「ひじまる体操」が紹介されていました。この体操は予防にも効果があるとのことです。簡単にいうと、肩に手を置いてぐるぐる腕を回すエクササイズです。
「謎の激痛!”五十肩”最新情報」(2005年1月26日放送)にて紹介されています。
- ゼロポイントに近い位置のシャツをつまむ
※ゼロポイントとは、肩の筋肉がもっともリラックスしている位置。(頭の後ろで手を組んだ状態)- はじめは小さく、だんだん大きく回していく
- からだ全体で動かす
- ポイント4 毎日3分 右1分、左1分、両方1分
※あくまで目安です。だんだん慣れてきたら回数を増やしましょう、さらに効果が期待できます。
ためしてガッテン流!四十肩・五十肩の予防法
四十肩・五十肩が長期化している場合、実は腱板断裂になっている場合があります。腱板断裂は筋肉と骨をつなぐ腱が脆くなって切れてしまう状態です。
肩甲骨の動きが悪いと、腱板断裂を招くだけではなく、普通の五十肩や肩コリの原因にもなるとのこと。肩甲骨の動きをよくする体操で予防できます。また、日ごろから肩甲骨を意識的に動かすことも大切です。
猫ストレッチとペンギン体操が紹介されていました。いずれもシンプルで簡単にできる体操です!
これらは、「長引く肩の痛みに喝! 五十肩&コリ一挙撃滅」(2014年2月5日放送)にて紹介されています。
猫ストレッチ
猫ストレッチは猫のようなポーズをとって行う肩甲骨のストレッチです。
- 四つんばいになる。
- 自分のへそを見るようにしながら背中を丸める。
- 肩甲骨を意識しながら背中を反る。
※1日5回程度を目安に行います。
ペンギン体操
ペンギン体操は、腕を伸ばして行うストレッチです。
- 腕を下に伸ばしたまま、肩甲骨を上下に動かす。
- 腕を横に伸ばして、肩甲骨を近づけたり遠ざけたりする。
- 腕を前に伸ばしながら背中を丸め、腕を後ろに引きながら胸を反らす。このときも肩甲骨を意識する。※1~3を各10回ずつ行います。
四十肩・五十肩は、自宅でのセルフケアのポイントは肩甲骨を動かすこと!
今回紹介したセルフケア方法を参考に、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
四十肩・五十肩に関するよくある質問
- Q四十肩・五十肩って何?
- A
四十肩・五十肩は、正式名称を「肩関節周囲炎」といい、肩の関節包と呼ばれる袋状の組織に炎症が起こり、痛みや可動域制限が起こる病気です。40代から50代の頃に多く発症するため、四十肩・五十肩と呼ばれています。
最初は片方の肩に起こり、その後、もう片方の肩にも起こるケースが多いです。
- Q四十肩と五十肩の違いは?
- A
四十肩と五十肩は同じ病気です。
- 四十肩:40代で発症した場合の呼び名
- 五十肩:50代で発症した場合の呼び名
このように、発症年齢によって呼び方が異なるだけで、症状や病態、治療法などに違いはありません。
- Q四十肩・五十肩の原因は?
- A
はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、加齢による腱板の老化や血行不良、ホルモンバランスの変化などが関係していると考えられています。
- Q四十肩・五十肩はどのくらい続くの?
- A
一般的には、自然治癒で1年半~2年ほどで治ります。しかし、症状の程度や個人差によって、治癒までに時間がかかる場合もあります。
また、四十肩、五十肩と思っていても、実は別の病気だったとういう場合もあります。以下の場合には、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 痛みが強い
- 可動域制限がひどい
- 症状が長引く
- 日常生活に支障がある